アコーディオン先生

芦刈耀市朗副会長の学校教育におけるアコーディオン指導




 芦刈耀市朗名古屋アコーディオンクラブ副会長は、2003年3月に退職されるまで小学校教育の実践にアコーディオンを活用され、学校音楽教育の向上に貢献されました。
 そして、勿論アコーディオン振興は私たちアコーディオン・ファンの願いでもあります。全国の学校現場の皆さん!学校にあるアコーディオンをぜひご活用下さい。アコーディオンに取って一番過酷なのは「弾かないでしまっておく状態」です。アコーディオンが窒息しないために、蛇腹に新しい空気をいつも送ってあげて下さい。

 主要国で唯一、音楽大学にアコーディオン科の無い国=日本。アコーディオンを学ぶために、日本の若者は海外留学に出かけています。また一方では、アコーディオンの表現力に気付いて他の楽器から転向してくるミュージシャンも増加しています。

 和声の勉強には、ピアノよりオルガンが適していますが、生徒一人づつ配置できるアコーディオンはオルガンより便利です。アタック後のクレッシェンドはピアノでは困難ですがアコーディオンなら容易です。

 学校の先生に、音楽の楽しさを知って欲しい。自ら楽しんで欲しい。そして、次の世代に音楽の楽しさ素晴らしさを伝えて欲しい。できれば、アコーディオンの楽しさ素晴らしさを同様に、知り楽しみ伝えていただきたい。


教育研究レポート

アコーディオンとの出会いとその活用

小学校教育の現場において

1はじめに
 本校の音楽準備室の戸棚の片隅に一台の独奏用アコーディオンが置かれている。購入当初は、教師指導用備品として活用されていたと思うが、今は使う人もなく、忘れられたような存在になっている。これは、ベース部の仕組みの理解とその奏法のマスターが演奏の条件になるということからくるものだと思われる。そこで、せっかくある楽器を無駄にせず、教育の場で活用するために、アコーディオンのベース部の仕組みと奏法を研修すると共に、教育の場で有効に活用できる場を探っていきたいと考えた。

2研究の内容
(1)べース部の仕組みについて
 アコーディオンに関する文献により、本校にあるアコーディオンは、21ベース25鍵盤の楽器で、ベース部のボタンの五列と実音は、次の図のようになっていることが分かった。

(サイト管理人註:120ベースアコーディオンの配列は、こちらをご参照下さい)

 21個のボタンを横の列で見ると、内側にダブルベースボタンか並ぴ、その外側にメジャーコード(長和音)ボタン、さらにその外側にマイナーコード(短和音)ボタンが並んでいる。
 ちなみに((C))のボタンを押すとCメジャーの和音が鳴る仕組みになっている。ピアノやオルガンでの伴奏は苦手な私でも、このべ一スボタンを使って簡単な曲の伴奏ができるのではないかという気持ちになってきた。

(2)ベ一ス部の奏法について
 ベース部の基礎的奏法(ベースとコードボタンの使い方)を習得するために、「こいのぼり」の曲「資料I]を教材にして実技練習を繰り返し行った。
 この曲はハ長調の曲で、コードは主和音のC、属和音のG、下属和音のFが主要三和音となる。

 これをベ一ス部の配列で見ると、下の図のようになっている。

 したがって、「こいのぽり」の演奏では、((C))を中心にして、隣りあった上下6個のボタンのみでコード伴奏を付けることができた。また、3拍子の曲はベース・コード・コード(ブン・チャ・チャ〉伴奏の基本パターンになることを習得した。

(3)音楽教科書教材(歌唱曲)との関連実技研修を積み重ねていく過程で、曲の調子が変わっても主和音の上に属和音があり、主和音の下に下属和音があるという合理的なボタン配別になっていることをつかんだ。
 このことから、21べース小型アコーディオンでもコード伴奏(主要三和音使用〉が可能な調子は次のようになる。

長調………ヘ長調・ハ長調・ト長調・二長調・イ長調
短調………ヘ短調・ハ短調・ト短調・二短説・イ短調
 そこで、教科書の教材(日本旋律,を除いた歌唱曲〉で演奏可能な曲数を調査したところ、次のようになった。
1年生――25曲中25曲
2年生――25曲中25曲
3年生――25曲中23曲
4年生――22曲中21曲
5年生――17曲中16曲
6年生――20曲中16曲

 この調査の結果から、21ベースの小型アコーディオンでも、歌唱の伴奏楽器として十分活用が可能なことが確認できた。

(4)実践内容と考察
@「七夕集会」での伴奏
 児童会縦割り行事の一つである「七夕集会」で歌う「たなばたさま」の歌の練習に伴奏楽器として活用した。また、当日は音楽部の子ども達の中に混じって演奏した。
A「野外教育」での伴奏
 中津川野外教育のキャンプファイヤーので歌う「もえろよもえろ」等の歌の練習に伴奏楽器として活用した。また、当日は伴奏担当の子ども達の中に混じって演奏した。
B考察
 運動場や体育館等で、全校児童や学年の児童を集めて歌の練習をする場合に、アコーディオンは手軽に持ち運べるという点で大変重宝な楽器であった。また、合奏用アコーディオンや鍵盤ハーモニカと一緒に演奏する場合、ベースボタンでリズムをきざんでやることによって、テンポの狂いを無くすことができた。

3おわりに
 独奏用アコーディオンのベース部の仕組みと奏法についての文献研究及び実技研修の結果、次のことが明らかになった。
○ 一つのボタンを押すだけでコードか奏でられるので、伴奏が比較的容易である。
○ コードボタンの配列が合理的なため、主要三和音に対する理解が深まる。

 また、21ベース小型アコーディオンを有効的に活用する場を実践を通して探ってきた結果、次のことが明らかになった。
○ 手軽に持ち運べるという重宝さが、運動場・体育館での音楽集会や野外活動に生かされる。
○ ベースボタンでリズムを奏でてやることによって、合奏をより正確な演奏に導くことができる。

 今後も、小型アコーディオンの特性を生かし、教育活動の様々な場で有効的に活用していきたいと考えている。


アコーディオン好きの芦刈耀市朗先生


アコーディオンを骨まで愛して

 芦刈耀市朗さんは、児童生徒へのアコーディオン指導にあたり、徹底的にアコーディオンを研究しました。
 楽譜、教則本、CD、ビデオは言うに及ばず、オッシロスコープやリード調律のためのふいご(これがアコーディオンの原点でもありますが)などアコーディオン修理の機械器具まで扱い、調律・修理をマスターされました。NAC名古屋アコーディオンクラブの会員に取っては、愛器のメンテナンスに無くてはならない専門家となっています。