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虫さされ

 地球上で最も繁栄しているのは、人間でしょうか。あらゆる場所に住みつき、数でも種類でも圧倒的優位に立っている生物は、昆虫やダニ類の節足動物です。昆虫類は70万〜120万種ともいわれ、ダニ類は2万〜4万種といわれ、膨大な数です。
 従って、私たちの生活の中で節足動物との関わりは避けられません。その中で人に取り付いて「虫さされ」を起こします。

 虫さされを起こす主役は、分類学的には、クモ綱と昆虫綱、唇脚綱です。クモ綱の主なものは、ダニ目(イエダニ、マダニ、ツメダニ、ツツガムシ、ヒゼンダニなど)、クモ目(フクログモ、アシダカグモなど)、サソリ目です。
昆虫綱は、シラミ目、半翅目(ナンキンムシ)、鱗翅目(イラガ、マツカレハ、ドクガ)、鞘翅目(アオバアリガタハネカクシ、アオカミキリモドキ)、膜翅目(スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ、アリガタバチ、イエヒメアリ)、双翅目(ヤブカ、イエカ、ブユ、アブ)、ノミ目です。

 これまでHPに紹介してきましたのは、イエダニ、マダニ、ツメダニ、アタマジラミ、スズメバチ、アリガタバチ、ヤブカ、ノミなどです。

「刺される虫のチェックポイント」もご覧下さい。


住宅街もピンチ、クマネズミの脅威


これは、11月18日の名古屋テレビで放映されたタイトルです。最近、新聞・テレビ・週刊誌で 「都市でネズミが急増」という報道が多くされています。

その時のテレビの内容を一部紹介すると、
「人間とネズミとのはてしない対決。元々農村部に生息していたクマネズミは繁殖を 続け、住宅街に押し寄せています。愛知県名古屋市の近郊にビルで繁殖したクマネズ ミが、さらに住宅街に驚くべき被害を与えています。そして、テロップ−今までは天 井でよく音がしたが、最近はかゆみが出るようになった。食事中にもドスンとネズミ が落ちる音がする。

 対処としては、ネズミの通路となっている穴をふさぐ。(1)基本に戻って侵入させな い。(2)エサとなる食料品の管理の徹底。(3)ネズミの居ごこちを悪くする。根気よくや ることが一番大切。−」

この後、スタジオでキャスターが説明。
「ネズミ全体の中で70年代は、クマネズミは 13%にすぎなかった。ところが、80年代になると、40%近く、さらに90年代に 入ると、何と70%になってきていますね」そして、最後にクマネズミの対処としては、 原始的な方法だが、穴をふさぐことが有効であるというところで番組は終わった。

次に、都市部に住むネズミの生態に詳しい神奈川衛生研究所の矢部博士は、「クマネ ズミは元々南方系の寒さに弱いネズミ。戦後から60年代の建物は、空調設備がそれほ ど整備されておらず、寒さにに弱いクマネズミは増えることができなかった。その時期 に都市部に多かったドブネズミは寒さに強く、しかも雑食性。人間すら襲うことがあり ました。
ところが70年代に入って都市部で急速に大きなビルが建築されるようになっ た。とくに空調がしっかりと管理され、しかも喫茶店や食堂などの飲食店が同居する高 層の雑居ビルが増えた。クマネズミというのは、小柄でどこにでも入り込むことができ、 しかも木登りなどの上下運動が得意。一方のドブネズミは、大柄で入れない場所も多く、 上下運動が得意ではない。それで雑居ビルはクマネズミに席巻されたわけです」と述べら れています。

 クマネズミが増える環境を作ったのは我々人間だと言えるでしょう。

「名古屋のネズミ事情」の詳しい報告は、ここでご覧下さい。


誌上ゴキブリ駆除講習会


 名古屋市では、町内会・婦人会などを対象に6〜7月を中心に名古屋式ゴキブリホウ酸だんごによる一斉 ゴキブリ駆除が行われています。
今回は、その駆除講習会の模様をドキュメント風に紹介します。

本日は、ゴキブリが死ぬほどおいしい毒えさを作ります。その前にゴキブリにつ いて知るために、ゴキブリ博士クイズをやってみます。全部で10問出します。7問 以上正解したら、今日からゴキブリ博士と名乗ってください。
 第1問、ゴキブリの名前の由来は? アの御器かぶり、ゴキブリが夜中に器に頭を かぶったように突っ込んでいる姿から来た。イの動きぶり、ゴキブリにジグザグと動 く動きぶりから語呂合わせでゴキブリとなった。ウの移動の時の音が、ガサゴソがゴ キブリとなった。さて、どれでしょう? 正解はアの御器かぶりです。・・・・・・
 第5問、ゴキブリの好きな場所は? アの明るくて広い場所、イの暗くて狭い場所、 ウの乾燥した場所。どれでしょう?ご存じのようにイの暗くて狭い場所です。
 第6問、ゴキブリの習性は?ア、単独で行動、イ、2匹で行動、ウ、集団で行動。 正解はウの集団で行動します。集団の方が繁殖スピードが速いそうです。
 第7問、ゴキブリの活動する時間は?アの昼間、イの夜間、ウの1日中。正解はイ の夜間です。ゴキブリは体内時計を持っていて午後7〜8時頃になると活動し始めま す。昼間見た方があるかもしれませんが、それは図々しいゴキブリですね。

 さて、ゴキブリの好きな場所は暗くて狭い場所、ゴキブリの習性は集団で行動、ゴ キブリの活動する時間は夜間。こんな人皆さんの回りにいませんか?実はいるんです。 「ゴキブリ亭主」です。(笑)だんなさんは、飲みニケ−ションがお好きで、夜遅く ご帰還となります。少し小腹がすいたので何かないかと台所をゴソゴソやっている。 その姿がゴキブリそのものだということです。・・・・・
 コガネムシは金持ちだという童謡がありますね。そのコガネムシはチャバネゴキブ リだという説があります。その訳は、昔ゴキブリがいたような家は暖房のきいた裕福 な家だろうということと、ゴキブリは1匹づつ卵を生むのではなく、がまぐちのよう な卵鞘という卵が詰まったまま生みます。そのがまぐちから来たという説もあります。 ・・・・・」

 こんな話をした後、ゴキブリホウ酸ダンゴの実習に移ります。
「これから作る毒えさは、名古屋名物の一つです。私たちの先輩がいろんなことを試 しみて出来上がったものです。
特徴1−費用が安くて、手間が掛からないこと。他の ホウ酸ダンゴは、牛乳、砂糖、小麦粉と材料が沢山いります。それに比べ、米ぬか (普通米屋さんでくれます。)、グリセリンだけで済みます。これを米ぬか7、ホウ 酸2、グリセリン1の割合で混ぜます。また、天日で乾かす必要もなく、できたら即 置くことができます。
特徴2−ホウ酸の含有量が少なく安全であること。名古屋式は ホウ酸含有量が20%で、1軒当たり毒えさ20グラムをビールの王冠10個に詰め ます。従って、1個当たりのホウ酸は0.2グラムとなります」その後、注意事項を 説明して一斉駆除作戦に移ります。

この文章は、メールマガジンNo.2で配送したものです。

具体的にはゴキブリホウ酸ダンゴの作り方を、ご覧下さい。


あなたもダニ博士クイズ


付録として、次にダニのクイズを出します。トライしてみて下さい。

1.次のうち昆虫でないものは?
 ア.蚊  イ.ゴキブリ  ウ.ダニ

2.ダニの大きさは?
 ア.2mm   イ.0.2mm   ウ.0.02mm

3.ダニが繁殖しやすい湿度は?
 ア.39%以下  イ.40〜70%   ウ.71〜85%

4.ダニの好きなえさは?
 ア.ふけ   イ.カビ    ウ.パンくず

5.ネズミに寄生して、エロダニと言われているのは?
 ア.ツメダニ  イ.ヒョウヒダニ   ウ.イエダニ

6.ダニを食べるダニがいる?
 ア.いる    イ.いない

7.ダニの好きなふとんは?
 ア.羽毛ふとん   イ.綿ふとん  ウ.化繊ふとん

8.ダニカ月1 き起こす病気は?
 ア.マラリア   イ.ぜんそく  ウ.食中毒

9.次の床材のうち、ダニが一番多いのは?
 ア.タタミ   イ.じゅうたん  ウ.板

10. ダニを防ぐには?
 ア.風通しを良くする  イ.タタミの上にじゅうたんを敷く  ウ.外から侵入しないように窓を
閉める
前回の「ダニ博士クイズ」の解説編です。皆さん分かりましたか?

 〜〜あ な た も ダ ニ 博 士 ク イ ズ 解 説 編


1.次のうち昆虫でないものは?
  (ウ.ダニ)昆虫は脚が6本、頭、胸、腹部に分かれている。ダニは、全体がひとつのかたまり。
脚の数も幼虫は6本だが成虫になると8本になり、クモの仲間です。

2.ダニの大きさは?
  (イ.0.2mm) 大部分のダニは0.25〜0.75mmの範囲にある。人間が肉眼で見える大き
さの限界は0.2mmですから、大体は目で見えます。

3.ダニが繁殖しやすい湿度は?
  (ウ.71〜85%) ダニの繁殖条件は、温度20〜30℃、湿度60〜80%で、日本では1
年の4ヵ月はこの範囲に入ります。

4.ダニの好きなえさは?
  (ア.ふけ、イ.カビ) ダニはふけ・カビを餌にしています。家の中のハウスダスト(ホコリ)
には 多く含まれています。

5.ネズミに寄生して、エロダニと言われているのは?
  (ウ.イエダニ) イエダニは家ネズミに寄生して、人・動物に吸血します。家の中にいるダニ
すべてがイエダニと呼ぶのではありません。被害は男性よりも、女性、子供に多く、下腹部、大腿部
など皮膚の柔らかい部分から吸血する傾向があります。このため「エロダニ」と言われています。
    ツメダニは、人を刺します。なぜ刺すのか。蚊などのように吸血するのではなく、卵を守ったり
する防御本能のためです。ヒョウヒダニは小児ぜんそくなどアレルギー性疾患の原因のひとつです。

6.ダニを食べるダニがいる?
  (ア.いる) ツメダニは昆虫の他ヒョウヒダニやコナダニなどをえさとしています。

7.ダニの好きなふとんは?
  (イ.綿ふとん) 寝ている人の保温性は、化繊、綿、羽毛の順に高くなる傾向です。
 綿は吸湿性に優れていますが、ダニも繁殖しやすい。一方、羽毛ふとんは毛が布地の外に出ないよ
うに繊維の目が小さく、ダニが通過しにくいのです。
8.ダニが引き起こす病気は?
   (イ.ぜんそく)  アレルギーを起こす物質=アレルゲンのうち吸入アレルゲンには、ダニやそ
の糞だけでなく動物の毛、カビ、花粉などもあげられます。ダニは死体となってもアレルゲンとなり、
小児ぜんそく、アトピー性皮膚炎と深い関係があることが明らかになってきました。

9.次の床材のうち、ダニが一番多いのは?
   (イ.じゅうたん)  ダニの繁殖条件は、(1)高温多湿、(2)えさ、(3)潜って産卵できる場所があ
ることです。この条件を満たすのは、タタミ・じゅうたんですが、特にじゅうたんが多いという調査
結果が出ています。
10. ダニを防ぐには?
   (ア.風通しを良くする)  ダニを増やさないひけつは、ダニの3つの繁殖条件をなくすことで
す。窓を閉めれば、高温多湿化します。タタミにじゅうたんを敷けば、3つの条件がすべて含まれま
す。風通し良くすれば、湿気を下げますから効果的です。


  <ダニを発生させないための生活の知恵>

 [1] 掃除の役割
   ホコリと一緒にダニも吸引します。掃除機は、吸込仕事率150W以上のものを使用します。
 [2] 換気の役割
   窓を開放します。ダニの発生源である畳やカーペットなどの含水量を減らします。
 [3] 布団の管理と乾燥
   布団はフケやアカなどダニのえさが豊富です。人の体温もあり、ダニにも快適温度です。その
      ため布団乾燥を行い、乾燥後の布団は、たたいて掃除機がけをします。
       
この文章は、メールマガジンNo.1、2で配送したものです。

具体的な駆除方法は、ダニの駆除をご覧下さい。


ネズミ・衛生害虫の相談は?

名古屋市の保健所に寄せられる住まいの衛生についての相談の中で、ネズミ・衛生害虫に関する相談件 数は非常に多く、平成9年度では全市で8500件を超えています。
しかし、その内容は時代の移り変わりとともに変化しています。以下、項目別に説明します。

(1)最近は、ハチについての相談件数(全体の約52%)が急増しています。とくにスズメバチについて は、その数が増加しています。市生活衛生センターが実施したスズメバチの駆除件数は平成10年度では 1000件を超えました。
(2)ネズミの相談件数は、いつも1000件と高い件数で推移していますが、その原因となっているネズミ の種類はドブネズミからクマネズミへと変わってきています。今後はさらにクマリン系殺そ剤への抵抗性 を身につけたクマネズミによる被害拡大も懸念されています。
(3) ダ ニについては刺咬性のイエダニ、ツメダニの相談は昭和60年代前半にピークがあり、その後は減 少傾向です。しかし、ヒョウヒダニによるアレルギーの問題は件数としては上がっていないか、今後ます ます重要になってくると考えられます。
 また、ヒゼンダニによる疥癬の問題も高齢化仕会が進展する中で問題になってくる可能性があります。
(4)アリガタバチについても昭和50年代前半にピークがあって以来、減少傾向にあります。
(5)ゴキブリについても、昭和50年代後半のピーク以来減少していたが、最近また若干増加の傾向が見ら れます。
(6)ネコノミやハトの相談件数も他の衛生害虫と比較すると増加傾向にあります。

次に、厚生省が発表しているネズミ・衛生害虫の発生状況を見てみますと、平成9年度の集計では、多い 順にネズミ、アシナガバチ、スズメバチ、ゴキブリでした。名古屋市での集計でも多い順にアシナガバチ、 スズメバチ、ネズミ、ゴキブリであり、同様な傾向が見られました。


都市の害虫
                                
 近年、私たちの生活レペルが向上し、生活環境が著し<改善されたことにより、伝染病の発生は激減しました。                 
 その一方、都市周辺地の都市化に伴い、田畑はもとより野原、林、小川、ため池あるいは森が開発され、どんどん消滅してきました。そして、そこに適度なバランスを保ちつつ生息していた昆虫や魚あるいは鳥たちは生息場所を失って、多<の種が消滅したり生息域を著しく狭められました。
 逆に、新しい環境にうま<適応できる種が入ってきて、都市を主な生息域とするような場合も見られます。これらは、都市型昆虫と呼ばれています。今回は、直接人に被害を与える昆虫など、いわゆる「毒虫」のうち、都市で見られるものをいくつかご紹介します。

【ガ 類】                          
 ガの仲間には人に皮膚炎を起こすものがいます。ガの幼虫は体に多くの毛が生えている、いわゆる「毛虫」で、この毛の中に毒針毛を持つものがいて皮膚炎の原因となります。都市や都市周辺で発生する主なものに、ドクガ、チヤドクガ、ヒロヘリアオイラガ、タケノホソクロバ、ウメスカシクロバなどがあります。       
チヤドクガは庭園や街路のサザンカやツバキによく発生します。ドクガは、街の中心よりも郊外の林縁部など、生態系が不安定になったような場所で大発生することがあります。ヒロヘリアオイラガは外国からの侵入種で、街の中のサクラ、モミジなど多くの樹種に発生します。もともと日本にいる近縁のイラガヤアオイラガなどを駆逐して、街路樹などにその勢力を広げています。タケノホソクロバは庭園のササ・タケ類に、ウメスカシロクバはサクラやウメに、いずれも手入れの悪い樹勢の衰えた木に発生します。
 被害は毛虫に触れなければ起きませんが、チャドクガやドクガは、成虫が毒針毛を付着させているので、これが室内に入ってきたり、またこれらの脱皮殻の毒針毛が飛散したりして、広い範囲に被害が発生することがあります。

【スズメバチ類】
 最近は、都市でススメバチが多く営巣し、人が刺される被害が増えてきています。都市で見られるスズメバチは、ほとんどがコガタススバチかキイロスズメバチで、この二種も都市環境にうまく適応できた種であるといえます。天敵であるオオスズメバチが都市化に適応できす激減したことや、成虫が本来のえさである花の蜜や樹液のほかに、人間の捨てた缶に残つているジユースなどを利用できる性質を持っていたことなどが生息に有利な条件となつたわけです。                 
 これらのススメバチは、越冬した新女王が、春になるとたった一匹で巣作りを始めて、秒には数百から時には千を越える働き蜂を持つ大きな巣になるのです。植木の茂みなど、身近な場所にあるものは巣が小さいうちに取り除<ようにします。
    
【アリガタバチ類】                  
アリガタバチ類は小型のハチで、成虫になつても翅のない種が多く、外観はアリに大変よく似ています。偶然接触した人を刺し、被害を与えます。名古屋市内でよ<見られるアリガタバチは、ハマキアリガタバチ、シバンムシアリガタバチ、クロアリガタバチなどで、いずれの種も他の昆虫に寄生して育ちます。ハマキアリガタバチは、ハマキガの幼虫に寄生する野外性の種です。シバンムシアリガタバチとクロアリガタバチは家屋内で発生する種で、前者はワラや食品など、植物性の乾物に発生するタバコシバンムシやジンサンシバシムシの幼虫に寄生します。後者は、建材 (主にスギ材)に発生するヒメスギカミキリの幼虫に寄生します。                
【ムカデ】
ムカデ咬症の原因となるのはオオムカデの仲間で、トビズムカデ、アオスムカデなどががあります。       ムカデは本来森林中の生物で、落ち葉層や朽木の下などに棲息し、主に夜間活動して昆虫などの小動物を捕って食べています。都市化によって棲息場所はどんどん狭められていま
すが、街中のちょっとした樹木の茂みなどで頑張つて生きています。また、住宅地が郊外へ広がった結果、林に隣接したような環境の住宅などでは、夜間に迷い込んだムカデに人が咬まれることがよ<あります。咬まれると激しい疼痛を起こしますが、致命的なことはまずありません。
                                                                      (「名古屋市衛生研究所だより,96」より)


 

 

 

 

 

 


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