ニオイ対策各編



1.暖房器具は臭気の発生源である

2.臭い退治には相手を知ることが大切です

3.水洗便所のにおい対策

4.浴室のにおい対策

5.排水口には時々水を流しましょう

6.新建材には気を付けましよう

7.ペットの飼育は慎重に屋内で

8.カビ臭は結露防止から


1.暖房器具は臭気の発生源である

 中央式の空調設備がされているような大規模の建築物においては、室内で石油やガスを燃焼
させ、かつ燃焼廃ガスを室内に放出するような燃焼機器を用いないので暖房器具が臭気発生源
になることはありません。
 住宅やアパート等における燃焼機器の種類は、灯油を燃料としている石油燃焼機器の所有所
帯は9%あり、石油以外では電気スト−ブを所有している世帯は18%しかありません。ほとん
どの住居では石油燃焼機器を使用しているといっていいと思います。また、室内に燃焼廃ガス
を放出するタイプの開放型石油ストーブを使用している世帯は60%、同じく開放型石油ファン
ヒーターを使用している世帯は40%に達します。石油暖房機器のほとんどが開放型のものであ
る。なお、大都市部における石油燃焼機器の所有率は東京23区で68%、大阪26区で63%、札幌
89%です。圧倒的に多くの開放型燃焼器具が使用きれているのがわかります。
 開放型の燃焼機器からの発生する廃ガスの場合、臭いの問題以前にNOx,CO等の有害ガスによ
る室内空気の汚染の問題が大きいといわれています。
 石油燃焼機器のメリットについては、改めて申し上げるまでもないことですが、デメリット
の中で最も多いのは、機器による騒音と臭いです。
 石油ストーブ・こんろによる騒音と臭いについては、調査世帯の20%位の世帯が臭いが強い
と感じているという調査例もあります。臭いを「強い」と感じるということを、機器毎にみて
も開放型の燃焼機器からが圧倒的に多いです。
 強制給排気式燃焼機器(密閉型のいわゆる、FF式燃焼機器)から排出される廃ガスは、こ
の機器の給排気筒が外壁や窓の外側に設置される為に、室内空気を汚染させる事はないといえ
ましょう。しかしながら、室外に排出された廃ガスによる空気汚染、臭気等の問題があるとい
えます。

2.臭い退治には相手を知ることが大切です
 それぞれの臭いにあった制御対策を講じましよう

(1)生ごみ臭
 生ごみの臭いはとてもいやです。その上に置き場所も問題です。生ごみ臭は腐敗臭ですが特
に魚介類、肉類を含んでおりますと硫化水素など硫黄化合物が生成され、極めて不快感の強い
臭気となります。時間と共に腐敗は進行します。温度も腐敗の進行には大きく影響します。
 生ごみの臭気は生ごみの処理を適切に行うことで発生源対策ができます。しかし、それがで
きない住宅が多いのです。不用意に屋外へ搬出すれば、ゴミ公害、悪臭公害を引き起こしかね
ません。そこで、生ごみは台所内に24時間〜2、3日つまりごみ収集日まで滞留されることに
なるわけです。できるだけ密閉し、冷暗所に置くことを励行すべきでしょう。

(2)調理臭
 焼き魚、特に鯖やさんまなど青身の魚を焼くと大量の臭気が発生します。この臭気が室内に
漏れることなく完全に排出されるようにしたいものです。
 てんぷらも臭気発生が多く、残存臭気の影響は大です。油の酸敗成分が生成されにくいよう
に、適温でさっと揚げるようにしたいものです。

(3)調味料臭
 調味料の香気成分はほとんど解明されています。醤油も味噌も酢も室内に拡散した臭気は、
あまり不快ではないようです。しかし、これらは密封して保存されないと、常時臭気を発生と
なり、台所の背景臭となります。油の臭いは不快を感じる人が多いようです。
 調味料といえるかどうかわかりませんが、ぬか味噌の臭いほ強度の不快感をもつ人が多いよ
うです。漬物を出す時には換気装置を作動させるなどの配慮が必要です。

3.水洗便所のにおい対策

 洋便器・和便器は特に男子の子供の排尿時、便器外に飛散しで床面に尿が浸透して、トイレ
臭がある場合や小便器や大便器の掃除の不備による場合があります。この対策は尿が浸透しな
い材料を床に使用することが必要でしよう。なお、タイルの目地には尿が浸透しやすいようで
す。
 床に排水口がある場合、トラップから排水管の中の悪臭が室に入らないようにトラップの中
に水が入っています。この水が乾燥してなくなることがあります。その時はトラップに水を入
れて下さい。したがって、掃除をこまめにしておれば、水洗便所からのにおいはないでしょう。
しかし、排便・排尿時ににおいが気になるとが、便所に何かにおいが欲しいと思えば、消臭剤
とか芳香剤が必要となるでしよう。
 消臭剤とか芳香剤を使うとき、良い香りだといって使うと、外出先で同じ香りを嗅ぐとトイ
レを思い出しますので、香水やコロンに使う香りは避けるべさでしょう。また、一例ですが金
木犀の芳香をトイレに使いますが、金木犀を嗅ぐとトイレを想い出すことになりますので、花
の香りの芳香剤をトイレに使うことも避けたいものです。

4.浴室のにおい対策

浴室のにおいについては排水管からの下水臭と壁などからのカビ臭があります。下水臭につい
ては浴室の床排水でトラップを設けていないので排水管から直接においが浴室へ侵入します。
また、わんトラップを設けているが水の流れが悪いので、わんトラップのわん型金物を取り外
したために、トラップを設けていない状態と同じになり、においが浴室に侵入します。したが
って、トラップを設けることが対策の基本です。
浴室のカビについては、水蒸気の発生量の多い部屋でありますので湿度が高くなりやすいか、
この湿度だけでなく、温度、栄養、酸素の生育条件がカビの発生に関係します。そこで対策と
しては生育条件のいずれかーつを断つ方法と抗菌性の薬剤を用いる方法があります。
条件の改善については、湿度の抑制、日照、通風、換気を行うことによっての対応が考えられ
ます。しかし、換気や通風は浴室使用時ので不快につながるなど問題は大きいようであります。
 なお、バスルームに気分の安らぎや疲れがとれることの目的で使うとか、石けんやバスバブ
ル、バスオイル、入浴剤などに香りの入ったものを使うこともできます。
 現実的には壁などに空気中に浮遊するごみ、身体の垢や石けんが被着して栄養分となるため、
これらを洗い落とし、壁表面などにカビが発生しないように清潔にすることが初歩的な対策と
なるでしょう。
                       
5.排水口には時々水を流しましょう

 排水管は使用しているろ、その管壁にスラッジが付き、嫌なニオイが発生します。普通、こ
のニオイが逆流して室内に侵入しないように、排水口のすぐ下流にP字型、U字型、または椀
型のトラップを設け、そこに水を入れてニオイを封水します。ところが、この封水が時々破ら
れることがあります。例えば、急激な庄力変動による吸引作用や髪の毛がトラップに引っかか
り毛管作用で封水が破れます。私どもが最も経験するのは、長期間家を留守にしたり、空き家
になったりすると、トラップの水が自然蒸発し、封水が破れ、排水管内の書気が排水口から室
内に漏れ出ることです。この様な時には直ちに排水口からトラップに水を注げば臭気の放散は
なくなります。家にあるすべての排水口には忘れずに水を流しましょう。


6.新建材には気を付けましよう

 私達日本人は昔から畳と木のニオイは良いものと感じていました。しかし、近年このような
ニオイが家の中から消失しています。最近の家は上や木の素材を使用せずに人工的に加工され
た新建材が多く使用されています。例えば、合仮は薄板を接着剤で張り合わせたもので、繊維
板は木材をパルプ状にして接着剤で板状にしたものです。また、これらを施工する際に接着剤
を使ぅたり、表面に塗料を吹き付けたりしています。これらの接着剤や塗料は合成樹脂系のも
ので、乾燥・硬化する際に溶剤が蒸発します。この溶剤の中には、ホルムアルデヒドのような
有害なガスもあります。最近の建物は気密性が良くて、これらが部屋に籠もり、目を刺激した
り、におったりします。特に、夏季や暖房時に室温が高くなりますと、その発生は多くなりま
すから注意しましよう。このようなニオイをとるのに芳香削でマスクする方法もありますが、
この場合は有害ガスも含まれているので窓を開けて換気することが是非必要です。

7.ペットの飼育は慎重に屋内で

 最近ペットの飼育がはやっています。自己中心的で潤いのない世相の反映と生活に少しゆと
りが生七たことも原因のようです。しかし、このペットが原囚で隣同志で仲たがいしたり、中
には、裁判沙汰に紛糾している場合もあります。
 ペットの場合、臭気だけでなく鳴き声や隣家に忍び込んでいたずらをしたり、色々とご近所
に迷惑をかけます。従って、ペットを飼う時にはご近所に迷惑にならないように慎重な気配り
が必要でしょう。独立住宅でも、犬を庭で飼うと鳴き声で、また、猫は垣根を越えて行動し近
所に迷惑をかけます。ましてや、密集した集合住宅のベランダで飼うと、鳴き声は勿論、臭気
も近所に放散し、嫌がられます。従って、集合住宅でペットを飼育する時は屋内で飼うことが
原則です。さらに、従来、集合住宅では建て前上ペットの飼育を禁止する入居規則があったた
めそのような意識下で隣家のぺットの鳴き声や臭気がありますと、一層敏感に反応する結果に
なります。また、騒音にしろ、臭気にしろ、ペットが原因で一度紛糾しますと、その原因をか
なり軽減しても人間の感覚はなかなか改善されたとほ思えなくて、紛糾が納まり難くなります。
 要は、先ず不平が起こらないようにご近所への配慮を忘れずに、いつもペットの管理を慎重
にすることと、普段のご近所とのお付き合いを上手にしていることがペット飼育の必要でしょ
う。

8.カビ臭は結露防止から

 結露が発生すると、そこにカビが生え、カビ臭がでます。カビ臭は二オイだけでなく、そこ
の汚損も加わっているので、かなり嫌がられます。カビ臭を無くすには結露が発生しないよう
にすることです。
 浴室のカビ臭はよく経験します。浴室の結露を防ぐのは非常に難しいため、結露が発生して
もカビが生えないように注意しなければなりません。それには使用時には仕方ないですが、使
用後に窓を開けるとか、長時間換気扇を回して置くとかして、湿気が無くなるまで充分に換気
をして、周壁を乾燥する必要があります。また、外壁に接した押入やRC造の日当たりの悪い
外壁の隅角部などもよく結露します。
 押入では収納物が断熱材の役目を果たし、その結果、押入の外壁の表面温度が低い外気温に
近づき、結露が発生しやすくなるのです。従って、押入内は高温の室空気が充分にゆきわたる
ように押入の通気をよくしたり、また、押入のある部屋は水蒸気の発生を出来るだけ少なくす
る、例えば暖房は電気式とか密閉式器具を用いることでしょう。
 万年床のように長時間敷いたままですと、押入と同じ原理で布団の下の床が結露しやすくな
るため、寝具は時々片づけて、その部分を乾燥せると同時に布団を日干しにすることも大切で
す。
 外壁の隅角部も熱的に結露しやすい場所ですから、この部分に家具などを置かずに通気をよ
くしたり、部屋の水蒸気発生を出来るだけ少するよう注息することが大切です。

「健康リビング実践ガイドライン(臭気編)第2編 望ましいニオイ環境と住まい方」(平成5年3月)

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