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2001年1月18日、生活衛生センターのセミナーに講師として話をしました。昨年に次いで2回目です。その様子を再現してみました。
今日のテーマは「室内の結露とカビ」です。カビに関連したキーワードを挙げてみますと、結露、水蒸気、温度、湿度、気候、梅雨、暖房、冷房、住宅構造、 断熱、掃除、換気、ダニです。 日本は、高温多湿の気候で、「湿気の文化」の国と言われています。カビの発生しや すい気候です。その反面、みそ、しょうゆ、酒など発酵食品が多い国でもあります。 従って、日本の住宅は「夏をもって旨とすべし」と言われるように「夏型」、「開かれた住宅」でした。ところが、戦後コンクリート住宅が増え、気密性もよくなり、「冬型」、「閉じた住宅」になりました。そのため結露・カビの問題が出てきました。
今日は、レジメに書いてありますように「水蒸気とは」、「結露はどうして発生するか」、「水蒸気の発生源」、「水蒸気の移動」、「カビの発育条件」、「住宅内に見られるカビ」、「カビの発生
しやすい場所」、「カビ(結露)の防止法」、「カビが発生したら」の順番にお話しします。 以下、そのサワリです。
水蒸気は10万分の4ミリという大きさです。ヤカンで湯を沸かしたとき、出てくるアワが水蒸気(気体)です。目に見えませんが、すぐに冷えて水滴とな ります。これが湯気(液体)です。では、結露はどうして発生するのか。空気中に含むことができる水蒸気の量は、温度が高くなればなるほど、多くなります。つまり、水蒸気のバケツが大きくなるということです。例えば20℃・60%の水蒸気の量は8.8グラムです。温度が12℃になりますと、水蒸気は100%になります。さらに温度が下がるとバケツからあふれて水滴となります。これが結露です。
熱の場合、暖房した部屋がふすまでさえぎられていれば隣の部屋は暖まりません。ところが、 水蒸気は粒子が小さく、圧力をもった気体ですのですき間を通り抜けて水蒸気の少ない方へドンドン流れていきます。そこで冷たい空気に触れると結露するわけです。それでは、室内で水蒸気はどこから発生するのでしょうか。人間も発生源です。1日4人が室内にいると仮定すると7リットルにもなります。また、石油ス トーブが燃焼により1時間に300グラムも水蒸気が発生します。ですから、冬は乾燥するからとヤカンを乗せる必要はありません。
家の中で一番カビの発生しやすい場所は浴室です。温度、湿度も高く、カビの栄養となる石けんカスもありますから。カビ対策としては、お風呂の最後に、湯で浴室の壁を洗い流します。その後、冷水をかけ、浴室内の温度を下げます。最後に窓を開けたり、換気扇を回して乾かします。これでカビの発生を抑えることができます。
まとめとして、余計な湿気を外に出すことです。そのためには換気が効果的です。 @水蒸気がこもったらすぐに換気、A上がった温度が下がる前に換気をしましょう。また、暖房を止めた後と就寝前の換気を忘れないようにして下さい。 また、温湿度計を使ってチェックしてください。暖房の設定温度を低め(18〜 20℃)にすると、暖房中の乾き過ぎや朝方の結露を防ぐことができます。
今までの話を参考に結露(カビ)が発生しにくい住まい方を実行してみましょう。
途中、「お宅の湿気度チェック」を参加者にやってもらいました。20人の採点結果は、ランクAの最高点は1人、ランクBのまあまあ合格点は9人。ランクCの落第点は11人でした。

[ぬれやすく、汚れやすいところ]〜流し台の近く・洗面所・風呂場など
調理の時に飛んだ惣菜や汁、あるいは石鹸カスや人のアカなどの有機物はカビの栄養源になるので、ぬ
れた状態が長いほどカビが繁殖します。タイル、石、ステンレスの上でもわずかな汚れと水があればカビが発
生します。
[結露しやすいところ、冷えやすいところ]〜窓・外壁に接しているところなど
窓は冬には暖められた空気が冷たいガラスの内面で急に冷やされ結露ができ、夏は温度が高く湿り気も多
く、ほんの少し温度が低いところがあるとすぐに結露します。そのままにしておくとガラスを抑えるビード
(軟質塩化ビニ−ル)を黒く汚染します。
また、北側の外壁に面した壁や隅の部分は温度が低く湿度が高くカビが発生しやすい。
[空気のよどみ場所]〜押入れ・納戸・家具裏・留守宅など
カビは環境が一定の状態のところでよく育ちます。閉めきったところや家具の裏などは空気が動かず、環
境の変化が少なくなっています。そしてこのようなところは比較的低温になり湿りやすいので、カビにとっ
てはよい住みかとなります。
[湿気の多いところ]〜室内の洗濯物干し、加湿器の使い過ぎなど
カビの生長には水分が必要ですが、水分は液体でなくても湿気(水蒸気)があればよいので、水蒸気が多
いほどカビがよく発生します。また、新築直後の集合住宅ではコンクリートが十分乾いていないので水蒸気
の発生量が多くなっています。また1階も地面からの湿気が上がってくるので、高い階よりカビが生えやす
い。
カビの発生条件から見れば、人が暮らす温湿度条件ではカビも生活できますので、カビの発生を抑えるに
は室内の水分や湿気をコントロールすることが基本になります。こまめに換気扇の使用し、浴室の壁や窓の
水滴(結露)をふき取りましょう。
| 場所 | 結露発生の原因 | 対 策 | 季 節 |
| 台 所 | ガスが燃焼すると水蒸気が出る。また、湯を使うだけ でも水蒸気が出る。発生源近くですぐ排出する。 | 水蒸気が他の居室に広がらないよう、調理時、炊飯時、
皿洗い時は換気扇を回す。 また、使用後もしばらく回す。 |
通年 |
| 浴 室 | 短時間であるが最も大量の水蒸気の発生源。浴室の壁 ・床・天井は防湿構造になっていて、意識的に排出しないといつまでもこもる。 | 入浴後換気扇を回すか、窓を開ける。防犯上危険な時
は夜間に換気扇を回し、昼間窓を開放。換気扇のみでは翌日まで回す。 浴槽水は使用後すぐに排水する。 浴室の扉は開放しない。 |
通年 |
| 寝 室 | 人の水蒸気発生量も大きく、夜間温度の低下により窓 ガラスが結露することがある。 | 就寝前の5分程度の窓開けによる換気で結露が軽減さ
れる。 ベッドは壁から5p程度離す。 |
冬期 |
| 暖房器具を使用する部屋 | 石油ストーブなど開放型のストーブは、発熱と同時に 水蒸気を放出する。 | やかんをのせたり、加湿器を併用しない。 こまめに換気を行い、新鮮外気の取り入れとともに湿度を下げる。 エアコン、床暖房、パネルヒーターなど水蒸気を発生しない暖房器具、煙突のついたストーブが有効である。 |
冬期 |
| 暖房室と隣り合った非暖房室 | ストーブなどから発生した水蒸気は、非暖房室にも拡 散し、結露の原因になる。 | なるべく広く暖房し、温度差をなくす。 非暖房室への水蒸気の流入を抑える。また、水蒸気を発生しない暖房機の使用が有効である。 |
冬期 |
| 梅雨時の居室 | 戸外も室内の温湿度が高く、ちょっとした水蒸気の発 生で結露しやすい。 | クーラーの使用による除湿が有効である。 温度が低く湿度が高い時は除湿器が有効である。 |
梅雨 |
| 押入・収納庫 | 北側や日光のあたらない家屋の中央部に設置されるこ とが多く、温度が低く、通風も悪く、高湿度になりやすい。(特に外壁に面した北側の押入) | 収納部品を外壁より数p離し、一杯収納しない。また、床にスノコを敷き、通風を良くする。 夜間、ふすまを開けておくのも有効である。押入のある部屋での暖房は水蒸気の発生の少ない電気式・密閉式が適している。 | 冬期 |
| 家具の裏 | 空気がよどみ、温度が低く、裏面の壁は結露しやすい。北側や東・西側の外壁に面した壁に沿って家具を置くときは注意が必要である。 | 裏側と壁の間を5pぐらい開け、スノコを敷いて床から2p以上開けると空気が通りやすくなる。 | 通年 |
| ガラス窓 | 室内側で表面温度が一番低く、冬期の結露防止は通常難しい。 | 雨戸をつけたり、複層ガラスを用いることにより、、ガ
ラス内側面の温度低下を防ぐ。 結露した時は、こまめにふき取るのが最適である。暖房器具を窓側に置く。また、窓が曇りだしたら換気を行う。 |
冬期 梅雨 |
| カーテンや内側の紙障子 | 熱は伝えにくいが水蒸気は通りやすく、低温の窓ガラ スの間で結露が激しくなりやすい。 | カーテンなどはこまめに開閉し、空気のよどみをなく
す。 濡れた窓はこまめにふき取る。 |
冬期 |
| 室内での洗濯物干し | 室内に濡れたものを干すと、家の中の湿度が高くなり 結露の原因となる。 | 室内に干さないのが原則だが、どうしても干す時は、
浴室の窓を開け、入口の扉を閉めて浴室に干す。 閉め切った浴室に除湿器または除湿器付き乾燥機を置いて干す。 |
冬期 雨天 |
| 共働きで留守がちの部屋 | 朝食や夜の食事で発生した水蒸気を閉じこめたまま、 外出・就寝することが多く、結露しやすい。 | 昼一日中換気扇を回しておくか、帰宅後各室の窓を10
分ぐらい開け、外気を入れる。 外出時、除湿器をつけておく。 |
通年 |