住宅とアレルギー

アレルギーとは、何でしょう?
外から入ってくる異物から体を守るしくみが免疫ですが、それと反対にマイナスに作用するのがアレルギーです。

主なアレルギー疾患として、気管支ぜんそく、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、花粉症があります。

そのアレルギーの原因となる物質をアレルゲンといいます。アレルゲンにはいろいろなタイプがあります。

大きく分けると、吸い込んで体の中に入る「吸入性アレルゲン」と食べ物として入る「食物アレルゲン」になります。具体的にみると、食物性アレルゲンは、卵・牛乳・大豆、鶏肉、牛肉、そば、小麦粉、さば、マグロ、ピーナッツ、チョコレートなどです。吸入性アレルゲンは、ダニ、カビ、ほこり、花粉、羽毛、ソバガラ、ペット(猫、犬、小鳥など)の毛、フケなどです。

 次に、住居内が原因となるアレルゲンとしては、ダニ(虫体、死がい、抜け殻、フン)、カビ、ペット(毛、フケ等)、その他(羊毛、絹、ソバガラ等)であり、その中でダニは重要なアレルゲンです。

それでは、ダニアレルゲンとは何でしょうか?
住居内にいるヒョウヒダニのフンや死がいなどは、ぜん息などのアレルギー症状の主な原因となります。これを総称してダニアレルゲンといいます。

 ダニは昆虫ではありません。ダニ類は、昆虫よりはクモに近い仲間です。昆虫は、足が6本、頭・胸・腹とはっきり区別できます。一方、ダニは、足が8本で頭・胸・腹の区別はありません。室内には30種類以上のダニが見られ、代表的なものは@ヒョウヒダニ Aツメダニ Bイエダニであり、その他に屋外で見つかるタカラダニです。

ヒョウヒダニは、室内のダニの中で最も数の多いダニです。ホコリの中に含まれるフケ等を食べています。ヒョウヒダニの死がいやフンがアレルゲンとなり、気管支ぜん息やアレルギー性 皮膚炎の原因となります。

ツメダニは、ヒョウヒダニ等をエサにして生活しています。ダニの数が増えると刺されたり、かゆみを起こします。新築後2〜3年を経過した住宅の畳などに大発生したことがあります。最近は、ツメダニの被害は激減しています。

イエダニは、ネズミに寄生しているダニで、春秋の発生のピーク時はネズミの巣から離れ、人に移り、吸血して、しつこいかゆみの被害を起こします。体長1ミリ程度で、吸血したものは赤色や黒色に見えるので比較的見つけやすいものです。

タカラダニは、4月〜7月に発生し、住宅の外壁など日当たりのよい場所に群集する赤いダニです。人を刺したりしませんが、不快の原因となります。放っておいても数週間すればいなくなります。

 ダニが増える条件は、@温度・湿度、Aエサ、B隠れ場所 です。

ダニが繁殖しやすい温度は、25〜28℃、湿度は65〜85%です。人が蒸し暑いと思う温度・湿度が、ダニにとっては快適な環境です。

ダニの餌としては、人や動物が落とすフケ、食べ物のかす、カビなどです。

ダニの隠れ場所は、あまり掃除していないカーペットや寝具、ぬいぐるみなどです。

ダニアレルゲンを減らすための4つの方法を紹介します。少しずつでも実行できるものから、各家庭の実状にあった無理のない方法で行ないましょう。

@掃除機で吸い取る 
掃除機をかけることにより、ダニそのものやエサとなるものを取り除きます。ゆっくりていねいに掃除機をかけます。ふとん用ノズル、隙間ノズルなどを場所に応じて効果的に利用しましょう。

A水洗いする
ダニのフンなどのアレルゲンは水溶性です。水洗いできるものは洗いましょう。

Bダニを殺す 
ダニは乾燥や熱に弱いものです。部屋の風通しを良くして室内を乾燥させると効果的です。また、60℃以上の熱で死んでしまうので、畳や寝具類は日光乾燥かふとん乾燥車の利用による熱乾燥が効果的です。

C封じ込める
寝具類に使われる「高密度織物」は、繊維の目が細かいためダニが通過できません。ダニのフンなどアレルゲンをある程度封じ込めることができます。

 次に、場所による対策として、4つの対策を紹介します。

@床対策
床の掃除機がけは、少なくとも週に1〜2回はていねい掃除を行いましょう。1uあたり20〜30秒かけ、ノズルをゆっくり動かします。カーペットは週に2回ていねいに行ってください。掃除機がけするときは、掃除機本体から排気が出て室内のホコリを巻き上げますので換気に心がけましょう。

A寝具対策
ふとんの丸洗い効果をテストした結果では、丸洗いによりダニアレルゲン量が95%減少しています。ふとん、枕のカバーに高密度織物を使用するとダニアレルゲンをある程度封じ込めることができます。新しい寝具に高密度織物を使用すれば、さらに効果的です。ただし、その場合でもふとん干しやカバーの丸洗いは必要です。

 ダニアレルゲンが高濃度の場合は、努力しても思ったほど減らないことがあります。買い替えも考えたほうがよいでしょう。値段、使いやすさ、丸洗いできるものなど、家庭に応じて使いやすいものを選びましょう。枕は、そばがらなどを避け、プラスチック、ビーズなど洗濯できるものがよいでしょう。

 注意として 、家族と一緒に寝ているときは、家族の寝具も同様の対策をしましょう。 季節の変わり目に押入れから出したふとんは、天日干しを行ない、ていねいに掃除機をかけてから使用しましょう。

Bソファー対策
布製ソファーはダニの繁殖場所になりやすいです。掃除機のスキマノズルなどを利用して掃除機がけをしましょう。買い替える場合は、革・合皮等のダニが住みにくい材質のものがよいでしょう。

Cぬいぐるみ対策
 丸洗いできるものは洗いましょう。掃除機のスキマノズルなどを利用し、掃除機をかけましょう。夏の暑い時期に黒い袋に入れて天日干しをし、その後掃除機で吸い取ると効果的でしょう。

 名古屋市では、ダニアレルゲン量を必要に応じ測定し、どこにダニアレルゲン量が多いか調べて、効果的なアドバイスをしています。利用できる方は、名古屋市在住で、ダニアレルギーが原因と思われるぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などを持っている方です。


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