室内空気汚染濃度を減らすには

人間は、暑さ寒さには非常に敏感ですが、空気の汚れには鈍感のようです。室内の空気で「汚れが分る」ということは重要で、何らかの対策をとることができます。しかし、一見無害で、清潔に見えながら、一般の人には気づきにくい建物内の空気の汚染が、揮発性有機化合物(VOC)など問題となっています。

教科書的には、室内の空気汚染のメカニズムは、C=Co +M/Q で表すことができます。C:室内濃度、Co :外気濃度 、M:室内汚染発生量、Q:換気量です。この式は、汚染濃度Cが外気の汚染濃度CoとM/Qとの和であり、外気濃度からの増加分M/Qは汚染発生量Mに比例し、換気量Qに反比例することを示しています。一般的に室内発生量Mを少なくすることは当然として、換気量Qを大きくすることで室内濃度Cは、いくらでも低減可能です。何か理科の授業のようになってきました。
 そこで、実際的な空気汚染の減少策を考えてみましょう。

1 室内の空気汚染物質
発生源としては、主として建材から生ずるものと様々な生活活動から生ずるものに大別されます。石油、ガスの燃焼器具から一酸化炭素や窒素酸化物が発生します。また、たばこ煙などに加えて主として建材から発生するホルムアルデヒドやVOCなどが問題となっています。さらに重要なことは、一見してアレルギーと無縁に見える窒素酸化物やVOCなど空気汚染物質が、多かれ少なかれアレルギー症状悪化誘因となることです。
従って、できるだけ燃焼型の暖房器具や建材に合板の使用を避けるなど生活行動面から汚染物質量を減少することです。

2 換気量の確保
 名古屋市では、各区で「室内空気汚染物質調査」を実施しています。調査項目は、ダニ抗原量、カビ数、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物、ホルムアルデヒドなどです。私の区でも2月に調査しました。その結果、二酸化炭素の連続測定のグラフを見ると真夜中でも3000ppm(ビル衛生管理法の基準−1000ppm)を超えていました。お話を聞くと、煮物に便利だからとガスストーブを1日中二階の居間で使用していました。冬で窓も閉めっぱなし、全く換気がされていない状態で3階の寝室でも同様な数字を示していました。この事例から分かるように暖房期の換気の重要性を物語っています。

 室内では、人が生活することにより汚染濃度が増えてくるものです。現在の住宅は、サッシ等の普及により自然換気が少なくなっています。従来の「風通しのよい住宅」という考えから「換気の必要な住宅」という考え方に変えていく必要があります。