冬の暖房器具と室内空気汚染


最近の住宅事情
昔からの日本の家は、閉め切っていても隙間から空気が入れ替わっていたので、
火鉢の炭火、七厘の練炭などは現在の石油ストーブよりも一酸化炭素の発生が多か
ったにもかかわらず中毒事故はあまり起こりませんでした。しかし、最近の住宅で
は、快適な室内環境を作り出すため、断熱化、気密化が主流になってきています。
この断熱化、気密化とは室内外の空気の流れを遮断してしまう工法ですので、住ま
い手が意識的に管理をしないと室内の空気はよどんでしまいます。

怖い一酸化炭素中毒
石油ストーブ、ファンヒーターなど室内排気型の暖房器具は、燃焼に伴い幾種類
かの有害物質を生じますが、中でも一番怖いのが一酸化炭素です。
人は体の代謝に酸素を必要としますが、この酸素を体の隅々まで運んでくれるのが血液中のへモグロビンという物質です。ところが、一酸化炭素は酸素の200〜250倍もこのヘモグロビンと結合しやすいため、
吸入が続くと体の組織が酸素不足の状態となり、重症の場合、命を落とすことにもなりかねません。
石油ストーブ等は正常に燃焼していれぱ、炭酸ガスと水蒸気を放出するだけで、一酸化炭素の発生はそ
れほど多くありません。しかし、気密化した室内で窓を閉め切って使用していると、空気中の酸素量は
だんだんと減ってきます。通常、空気は21%の酸素を含んでいますが、これが19%以下になると一
酸化炭素の発生量は突発的に急増します。また、一酸化炭素は無臭、無刺激なため人の感覚では感知できません。

室内排気型の暖房器具から発生する、その他の物貿

窒素酸化物
窒素酸化物はものの燃焼によって発生し、中でも二酸化窒素と一酸化窒素が重要と考えられています。特に、二酸化窒素は呼吸器を障害することが知られており、気管支炎やぜん息の疾患を持つ人に影響が大きいとされでいます。

ホルムアルデヒド
 シックハウス症候群の主な原因物質と考えられているホルムデルデヒドですが、この物質は建材などからの発生だけでなく、暖房器具の排気の中にも含まれることが知られています。

 ※シックハウス症候群

 建材、殺虫剤などに合まれる化宇物質が、室内の空気中に揮発するごとによって人体に影響を与え、目や喉への刺激、頭痛などのさまざまな症状を引き起こすことをいう。
 千種保健所の調査でも:エアコソやホットカーペットなどの電気による暖房を行っている家庭よりも、ガスストーブや石油ストーブなど室内排気型の暖房器其を使用している家庭の方が、空気中の窒素酸化物やホルムアルデヒドの濃度が高いという結果がでています。

・暖房器具から発生する水蒸気
通常、家庭用の石油ストーブからは燃焼に伴って1時間当たり250〜500gの水蒸気が放出されます。そして、住み心地をよくするためにストーブの上にやかんをのせたりすると、沸騰した状態ではさらに1時間当たり100Og近くの水蒸気が発生することになります。これらの水蒸気は住居内に拡散していき、窓ガラス、部屋の隅、押入れの中や家具の裏側の壁面など室温が低い場所で結露して、カビがはえたり
ダニが多くなる原因になります。
現代の住まいでの石油ストープ等の使い方
最近の高断熱、高気密の住宅では、室内で汚染物質が発生する場合は、換気をき
ちんと行わないとそれらが高濃度になり人の健康に障害を起こすことになります。
また、「換気」といってもただ窓を開ければよいというのではなく、上手な換気
の方法を身につけることが必要です。

窓を開ける
●室内排気型の暖房器具を使用する場合は、1時間に1回、5分程度は窓を開けて部屋の空気を入れ換えましょう。
●上手に換気を行うためには、2箇所以上の窓を開けて空気の入口と出口を作ってあげることが大切です。対角線になるように遠くの窓と窓を開けましょう。
●窓を少し開けておく場合は、暖房器具の後ろの窓を開けておくと、寒さがあまり気になりません。
●台所の換気扇を回しながら、できるだけ遠くの窓1箇所だけを開けてやると、その間の空気を効果的に換気することができます。
●冬場に窓を全部閉め切って換気扇を回すと、給気がとれず換気扇の能カはすぐに落ちてしまいます。換気扇の使用時には、給気がとれているかを気をつけましょう。
●最近は室内の暖かさを外にあまり逃がさないで換気をすることができる熱交換型の換気扇も出まわってきました。

温度差換気

●冬の空気は暖められて軽くなり高いところから出ようとし、逆に夏の空気は冷やされて低いところからでようとします。窓を開けなくても上下にバランスのよい給排気口や通気ガラリがあると自然に換気ができます。
●サッシの上部には通気用の小窓やガラリがついているものがあるので、これをうまく利用しましょう。
  

                                 (名古屋市千種保健所作成のパンフレットより)

 


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