シロアリとシロアリ駆除

 シロアリは、一見したところ形や生活様式などがアリに似ているので、白いアリという意味でシロアリと呼ばれていますが、実はゴキブリの親戚です。
   アリの仲間じゃないの?」とおっしゃる方のためにアリとの違いをお教えします。アリの腰は細く、いまにも折れそうな柳腰なのに、シロアリの腰は頑丈でくびれていません。翅(はね)がはえるともっと違いがでてきます。どちらも翅は2対ずつの4枚ですが、アリの翅はハチに似て前翅が大きくて後翅が小さく、シロアリの場合は前翅も後翅も同じ大きさです。
シロアリの発生は、5月頃、羽アリが一斉に飛び出して気づくことがあります。シロアリは湿気を好み、柔らかい木材を食べて繁殖するため、シロアリ業者は「駆除をしないと、将来的に家が倒壊する恐れも」と宣伝しています。事実、阪神大震災で倒壊した多くの住宅はシロアリの被害にあっていたという報告もあります。
一方、シロアリ駆除による健康被害が新聞等に採りあげられ、問題になっています。
今回は、シロアリ駆除について考えてみましょう。


1 シロアリ駆除の変遷
 我が国でシロアリ駆除を行うようになったのは1960年頃からです。その頃は薬剤使用量もわずかだったようです。その後79年には住宅金融公庫の融資を受ける条件にシロアリ駆除が制度化されたことと、大型の訪問販売方式のシロアリ業者が登場したことで、マニュアルによる大量散布が定着しました。
 人間の健康にとって、問題なのはシロアリよりシロアリ駆除剤という点です。有機塩素系の残留性殺虫剤のクロルデンがシロアリ駆除剤として使用禁止になったのは、1986年です。その後、駆除薬剤の主流は有機リン系のクロロピリホスに変わってきました。それでも人体への健康被害が多く発生し、1994年からは住宅金融公庫の融資条件からシロアリ駆除の義務付けがなくなりました。


2 シロアリ駆除剤は安全か
国民生活センターは、1996年にシロアリ防除の実情、被害の有無等についてアンケート調査を実施しました。シロアリ防除をした世帯のうち、18.3%の世帯で家族の誰かに頭痛、気分が悪いなど何らかの症状が出ていました。また、症状が出なかったものの刺激臭が気になったという人が、26.3%いました。そのため、従来の駆除方法を見直し、薬剤を室内に流れ込ませない新しい防除方法や天然成分(木酢液やヒバ油など)の駆除剤を採用する業者も出てきました。
  業者に依頼する場合は、どんな薬剤や方法を選ぶか複数の業者と話し合って判断することが大切です。薬剤での処理は、シロアリの被害部分にとどめて、むやみに床下全面に薬剤散布をすることはやめましょう。
また、床下の換気を良くすることはシロアリ予防に効果的ですが、換気口の位置等を考慮しないと床下換気扇により有害物質を屋外周辺にまき散らすことになるので注意しましょう。

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