住宅においてカビの被害が一番いのは浴室です。浴室の壁や腰壁には、タイルがよく使われ、その目地
が黒くかびる現象をよく見かけます。生えてしまったカビは、殺菌して取り除く以外に方法はありません。
近年、カビ取り剤として多種多様な製品が販売されていますが、それらの多くは次亜塩素酸ナトリウム
という物質(以下、「次亜」という) が主で、殺菌と同時に強い漂白作用を持った薬品です。また、除菌
剤として販売されているのものには、ほどんどアルコールが使われています。ですからカビ取り剤でなく
ても、「次亜」を含んだ漂白剤や消毒アルコールで十分なカビ取り効果が期待できます。
この塩素系カビ取り剤や漂白剤は、皮膚に付いたり吸い込んだりしないように手袋やマスクをして、窓
を開けた状熊で使用してください。
カビの生えたところに塗布しても、しばらくはそのままにして、カビが死ぬまで数分間は洗い流してはい
けません。カビは1〜2週間でまた黒ずんで汚れてきます。これ以上、長持ちさせたい時にこは、漂白した部分をよく乾
燥させてから、市販の防カビ塗料を刷毛で目地に塗ります。一度の防カビで少なくとも2〜3年やらない
で済ませることを希望する方は、防カビの専門業者に依頼するのが賢明です。
塩素系の薬品が使用できない部分には消毒用アルコールを刷毛や塗装用のローラ−で塗布しカビを殺し
ます。一度では不十分ですから、この操作を数度繰り返します。この場合も換気を十分に行い、同時に火
気に注意を払うことも忘れないでください。
最後に、自分でカビ退治するときには、次のことに注意しましよう。
@カビが発生している部分に掃除機をかけてはいけません。カビの胞子を部屋中にまき散らすことにな
からです。以前は、このようにお話ししていましたが、今の掃除機は違っています。現在市販されている「ヘパフィルター」がついた掃除機は0.3ミクロンのチリまで集塵可能です。カビの胞子は、普通3〜2ミクロンと言われますから、カビの胞子は掃除機で取り除くことができます。
A発生部分に一般の塗料を塗ってはいけません。カビに栄養を与えることになり、時が経つとカビが再
発するからです。
B「次亜」で漂白したあと、すぐ防カビ塗料を塗ってはいけません。「次亜」が残っていると塗料中の
防カビ剤を酸化させ、防カビ効力を失わせるからです。
C「次亜」を含む防カビ剤と酸性タイブの洗浄剤とを同時に使用することは、絶対禁物です。両者の化
学反応の結果、塩素ガスが発生し、それを吸って死に至ることがあるからです。
私たちは、カビが発生する前に室内で無駄な水蒸気を発生させない工夫を実践し、健康な住宅で過ごし
ましよう。