栃木県那須野
首都移転先の各候補地について、9条件を基準に新首都としての適性を自分なりに評価してみました。
* 那須への遷都案のページ (栃木県)
- 全国各地から便利
国土や人口分布から言えば、完全に東に偏っています。東北新幹線が通っていて便利ですが、新幹線・東北道沿線以外からの交通は未整備です。東京で東海道・東北新幹線の直通乗り入れは絶対条件ですが、東京で交通が止まった場合に新首都と中部・西日本地方の間の行き来も止まってしまっては困ります。また道路は、現状では中部・西日本から東北道などへ行くのに首都低速道路を通らねばならず、極めて不便です。
栃木県には伝統的国土軸の東山道(京都−岐阜−岡谷−佐久−高崎−栃木−仙台)が通っており、東海道(東京経由)よりも近道でした。このルートに沿って「東山道新幹線」や高速道路を造れば、東京を通らずに行けて便利です。
具体的には、道路は名古屋から中央道−岡谷−長野道−上信越道−高崎−北関東道です。新幹線は、中央新幹線が東海道のバイパスとして計画されているのでそれを在来型(非リニア)新幹線で建設し、伊那から塩尻・松本を通って北陸新幹線の上田まで連絡線を造り、高崎から東京方向に向かって左に分かれて、太田−佐野−栃木を通って宇都宮で東北新幹線盛岡方面に合流するルートです。これができれば、中部・北陸・関西地方からも意外と近くなります。
- 東京からの距離:近過ぎず、遠過ぎず
東京からは150km離れていますが、それでも通勤圏スレスレで、まだ関東地方の範囲内であり、「関東一極集中」の流れを止めることはできません。宇都宮・小山付近が東京と一体の都市圏となって、一極集中する範囲が拡大する恐れもあります。
関東地方の中心は東京で、栃木県民の心や生活様式はみんな東京を向いています。そんな地方に新首都を持ってきても、精神的に東京中心的な考え方を改革するには不十分です。
「首都移転先が東北だと合意を得られないから、那須野あたりが近くていいじゃないか。」という議論もあるようですが、一極集中を解消するためには新首都を東京圏から完全に離すべきです。
- 国際空港
栃木県地方に現在使用中、または計画中の空港はありません。
郡山市付近の福島空港が一番近く、新首都(那須塩原)から東北新幹線が空港まで乗り入れたら便利です。でも、それなら新首都は郡山市周辺の方が良いことになりませんか?
栃木県内の新空港にしても、福島空港にしても、規模や需要は一地方空港に過ぎず、世界各国へ国際線が飛ぶ便利なハブ空港にはほど遠いです。
- 土地取得の容易性
那須塩原駅西方には広大な低開発地があり、首都機能を一括して持って来るのに十分な広さです。ただし空港用地はありません。
バブルの一時期は新幹線通勤がブームになりましたが、このあたりの住宅開発はあまり進んでいません。
- 地震・火山等の災害に対する安全性
那須山噴火の危険があります。溶岩や火砕流の恐れは少ないとしても、火山灰が降ったら不便ではないでしょうか。
関東大震災の時は東京と同時に被災しませんでした。ただし東京で地震があった場合に西日本方面からの交通が途絶えるようではいけません。
日本海溝の地震帯からは少し離れていますが、日本列島どこでどんな地震があるかわからないので、用心が必要です。
- その他の自然災害に対する安全性
雪はほとんど降らず、大雨も少ないようです。水はけは良すぎるぐらいの土地です。
日光は「霧降高原」の名の通り霧が出やすい所ですが、那須野では霧で見通しが悪くて交通事故が起こることはないでしょうか。
- 地形等の良好性:高山や急傾斜地は避ける
なだらかな台地が広がっていて、開発はし易いです。
日光の美しい観光地があります。
- 水供給の安定性
那珂川水系を利用します。栃木県中南部の鬼怒川=利根川水系とは別ですが、宇都宮以南の開発を誘発するようならダメです。
那須野に流れる川は伏流水となっていて、昔から水を得にくい土地でした。新首都に必要な水量は確保できるのでしょうか。
- 既存都市との適切な距離
現在の東京圏は北関東・東北南部に向かって開発が進んでいるので、その波が迫って来る危険性があります。東京圏は巨大になってしまったので、150km 離れても十分とは言えません。
新首都の住民が東京の大都市機能の一部を利用するような場所では、東京一極集中ワンパターンの官僚の思考方式を変えることはできません。
栃木県の宣伝のページ
は、「県内に新首都ができたら栃木県はこんなに良くなる」という我田引水的な内容や、抽象的なイメージが多いような気がします。
もっと具体的な交通・防災・水利などの計画や、新首都が全国のためにどう役立つかを書いて欲しいです。