旧首都・京都
千年以上の間首都だった京都は、どの程度首都に適していたか、
もし現在京都や関西地方に再遷都したらどうなるか、
首都移転のための9条件を当てはめて評価してみました。
- 全国各地から便利
明治時代以前には、日本の全人口の重心は滋賀県付近にありました。
京都からは東へ東海道・東山道(中山道)・北陸道、西へ山陰道・山陽道・南海道が伸び、どの方向へ行くにも自然の障害物が少なく、水陸の交通が便利でした。京都付近では琵琶湖や淀川の水運が利用できました。
全国から平均して便利な最適地型の首都でした。現在では人口の重心が岐阜県へ移りましたが、京都が全国から交通が便利であることは変わっていません。
- 東京からの距離:近過ぎず、遠過ぎず
東京からは約500km離れていて、それぞれ別々の地域を代表する都市です。
昔、実質的な政治の中心が関東に置かれた時代も長かったですが、京都は関西の中心、江戸・鎌倉は関東の中心として並び立ち、重都体制を作ってきました。
京都と関東を結ぶ東海道は日本最大の幹線で、交通の往来が盛んでした。現在も新幹線が通って便利です。
- 国際空港
現在は関西国際空港を利用しています。京都から空港までの距離は比較的遠いのですが、直通のJR特急「はるか」に乗れば1時間15分で行けます。東京からの成田空港よりも便利かも知れません。
- 土地取得の容易性
京都は山に囲まれた狭い盆地で、現在では市街地を拡張する場所がほとんどありません。京都府南部の関西学園都市を開発して、国政の一部機能を分散して持ってくることはできます。ただし、京都にはすでに会議場やホテルなどがそろっています。
昔桓武天皇が平安建都したときは、奈良よりも広く、大阪のような低湿地でなく、「風水」の配置も良い土地でした。
- 地震・火山等の災害に対する安全性
京都付近にはいくつかの活断層が通っていて、昔から大地震が時々起こったことが歴史書に記録されています。
現在の京都の街には狭い路地が多く、木造建築の比率が高いので、地震の被害が大きいと予想されています。
- その他の自然災害に対する安全性
冬型の気圧配置になると時々時雨や雪が降ります。でも大した量は積もらず、すぐに気温が上がって融けてしまいます。太平洋にも日本海にも面していない内陸・瀬戸内型気候で、大雨は比較的少ないです。
- 地形等の良好性:高山や急傾斜地は避ける
山に囲まれた盆地なので、郊外に平地が少ないです。
山に囲まれている分、自然の四季の変化が豊かです。
- 水供給の安定性
琵琶湖淀川水系を利用しています。京阪神3都市がこの水系に依存しており、琵琶湖の貯水量は豊かですが需給関係は厳しいです。京都で消費した水が淀川に流れ込み、大阪の水は日本一まずいです。だから「六甲のおいしい水」などが売れるのです。
- 既存都市との適切な距離
京都−大阪、大阪−神戸の各都市間は、完全に通勤圏です。もし明治以後にも首都が京都か大阪にあったら、やっぱり関西一極集中が起こった可能性が高いです。京阪神の全く性格の違う3都市に、分都ができ上がったモデルケースと言えます。