インターネットの東京一極集中

* 地方都市のアクセスポイント同士をもっと接続せよ。

日本国内のインターネット回線の接続形態は、とんでもない東京一極集中になっています。
(Internet Magazine に付属の接続図を参考)
こんな状態で、東京に大地震が起こって東京圏のインターネットサーバーやルーターが故障したら、全国・世界に影響が及び、非常に危険です。 地震の被害がなかった国内の地方間ばかりか、同じ市内でもプロバイダー系列が違うと全く音信不通になってしまうという、不思議な現象が起こってしまいます。

全国ネットで展開する大手プロバイダーは、それぞれ各地方のアクセスポイントを独自の回線で東京アクセスポイントと一極集中型・放射状に結んでいるパターンが多いです。 あるいは、東京・大阪の二極集中型、名古屋を含めた三角型があります。 大手プロバイダーで WWW などのサーバーとなるコンピューターは、東京圏の1ヶ所にまとめてあるケースと、地方に分散しているのと両方あります。

それぞれのプロバイダーの地方配線は、東京で他のプロバイダーや外国とつながっている場合がほとんどです。 東京には NSPIXP というインターネットの拠点があって、国内の多くの大手プロバイダーが高速回線で接続しています。 国内各地のアクセスポイントから他系列の回線につながっているサーバーと通信しようとすると、東京にある中継ルーターを経由する場合がほとんどです。
もし地震や事故で東京のこれらの中継点が断たれたら、日本全国のインターネットは全然通じなくなり、世界からも見離されてしまいます。
日本と外国を結ぶインターネット回線も、ほとんど東京から出ています。 IIJ だけが大阪からニューヨークへ高速の国際回線を持っており、貴重な存在です。

地方プロバイダーは、いずれか一つの大手プロバイダ系列の地方アクセスポイントに接続しているものがほとんどです。
地方プロバイダーのサーバーと通信しようとすると、自分のアクセスポイントと同じ市内にあるのに、場合によってはわざわざ東京の中継ルーターを遠回りして来ることがあります。 私が自宅で利用している 京都 I-net は、京都大学の地域ネットに直結しているので通信が速いのですが、京都・大阪にある他のサーバーと通信しようとすると、東京の中継点を大回りして来る場合があります。
(自分のコンピューターと目的の通信相手との間にどこを経由しているかは、traceroute などのソフトウェアを使うとわかります。)
市内のアクセスポイントからサーバーへインターネット回線を直結すれば通信費も安いし、東京との間を往復するのはネットワーク・トラフィック量のムダだと思うのですが、どうなっているのでしょうか。

インターネットとは、世界各地のサーバー・プロバイダー・利用者のコンピューターを網の目(ネットワーク)のように多重につなぐものです。 そのネットワークでは、一部の回線や中継点が断たれても、生き残っている部分が補い合って、引き続き通信が可能になるものです。
ところが、日本国内の配線は東京一極集中で、系列ごとに縦割りになっていて、東京を経由してしか相互及び世界との通信ができません。 こんな物はインターネットでもネットワークでもなく、東京一極集中・系列取引・省庁別縦割行政・上意下達・ホストコンピューター社会の反映です。
インターネット社会とは、それぞれの利用者が、系列組織や地域・国家などの枠を越えて、全世界と自由に多様に結び付くものだと思います。

インターネット回線網の充実と安全のため、次のことを提案します。

* 地方都市のアクセスポイント・サーバー同士をもっと市内で接続せよ。

東京に続いて大阪にも NSPIXP3 が設置されましたが、そのような接続点を、名古屋や札幌・仙台・広島・福岡などにも作って、大手プロバイダーの地方アクセスポイント同士と地方プロバイダー・大学などを接続し、地域内の通信ルートを短絡します。 低コストで接続できるし、東京まで往復するムダも減るでしょう。 東京との接続ルートも多重化できます。 各プロバイダー系列の縄張りや利権争いの問題はわかりませんが。
また大手プロバイダーの配線では、東京圏以外の都市間を東京を通らないで結ぶルートを確保し、本当の網の目の「ネットワーク」を作るべきです。 WWW, mail などのサーバーも地方に分散させて、万一の場合はバックアップするようにできると良いです。 (アドレスの指定が難しいですが。)
外国との接続も、東京ハブへの一極集中ではなく、大阪−ニューヨークの他に、名古屋−アメリカ、札幌−ロシア(ヨーロッパ)、福岡−韓国・中国、沖縄−台湾・香港・東南アジアなどを結んで多重化すれば、東京で災害が起こった場合でも世界と通信ができます。

国内のインターネット通信回線(網ではない)が東京一極集中なのは、パソコンやインターネットの普及が東京・大都市圏に偏っている現実の結果でしょう。 しかし、インターネットはマスコミと違って、地方から情報を発信するのにこそ有利な通信手段なのです。

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