「ピンホール」

 レンズとピンホールカメラは似ているという話を聞いた。始めは
意味がわからなかったのだが話を聞いて納得した。

 若いころ夏休みの自由研究としてピンホールカメラを作った。テ
ィッシュの箱に穴を開け、クッキーを焼くとき使う半透明のクッキ
ングペーパをスクリーンとして、そして文明開化のころのカメラの
ようにのぞいたとき暗くなるよう風呂敷を取り付けた。

 ちゃんと原理がわかって作った訳ではなかったが当時自分はそれ
なりに満足していたという記憶がある。


 これは下の物がピンホールを通り上の像を作る様子を表している。
左右は逆になり、像が拡大される。これだけでもすでにものを拡大
して見たいという役割に充分使える。しかしピンホールを使った顕
微鏡というものは聞いたことがない。もちろん理由がある。

 下の物から出た光がピンホールという小さい穴を通って上の像が
できている。小さい穴を通る過程で光の量が減少することになる。
結果として上の像は暗くなってしまう。

  
 一番左の図は下の物の中心付近の点から出てくる光を表している。
ある一点に注目した場合、その点からは光は色々な方向にに出てい
る。今あなたが見ているものは照明からの光がものに当たって、色
々な方向に反射された光の一部を目が捕らえた結果になる。ものに
光が当たり色々な方向に光が反射される現象は乱反射と呼ばれる。

 この乱反射によって色々な方向に出た光はほんの一部しかピンホ
ールを通らない。

 一番左の図なら中心付近の点から出た光を実線で表した。このよ
うに何本もあるけれど、ピンホールを通ることができたのは1本だ
けである。

 真ん中の図は下の物の左端から出た光の一部がピンホールを通る
ことを表している。

 一番右の図は下の物の右端から出た光の一部がピンホールを通る
ことを表している。

 下の物全体について考えると、下の物全体から乱反射によって出
た光のほんの一部が上の像として見えることになる。だから暗くな
る。

 じゃぁピンホールの穴を大きくすれば明るくなるのではないかと
思うかもしれない。確かに明るくはなるのだが別の問題が出てくる。

  

 上の3つの図はピンホールを大きくした場合に一点から出た光が
どれくらい広がるかを表している。今までは点として観察されてい
たものがある範囲の大きさをもつ像になる。→全体がどうなるかを
表したのが下の図である。

   

 できるだけ鮮明な像を得たければ穴を小さくしなければならない。
しかし穴を小さくすると像が暗くなる。これがピンホールの限界と
いうことだ。目の悪い人が目を細めるのもこれに関係があると思わ
れる。

 では鮮明で明るい像を得たいときどうしたらよいのか。というこ
とでレンズが登場してくる。

 つづく

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 逆手にとって暗いなら明るくすれば良いという発想がある。お城
をピンホールで小さく映して写真に取るというアトラクションが海
外にはあるそうな。

 よくわからない、ここは間違っている、などのご意見、ご感想を
お待ちしております。