「どきどきしたいからでは理由にならない?」  先日浜松で勉強をした。バイオイメージングと呼ばれる分野の勉 強会である。その分野の最新の技術を学ぶというめったにない機会 だった。世界の最先端をわしづかみである。  バイオイメージングといった場合、バイオはそのまんまバイオで イメージングという部分は結局「見る」ということにたどりつく。 「見る」と言った場合、小さいものを大きく「見る」ことだったり、 自分の見たいものだけをきちんと「見る」ということだったりする。 自分の見たいものを「見る」ためだったらどんな努力でもするとい う感じ。  こういった目的で使われるのが顕微鏡になる。 「顕微鏡なんて虫眼鏡の親玉みたなもんでしょう?」  こういうつっこみを受けたことは残念ながらない。けれども、全く もってそのとおりである。基本的には光を集めて「見る」ということ。 両方ともレンズを使っていてものがおっきく見えることにはかわらな い。  初期の顕微鏡と言われる手持ち顕微鏡は小さいレンズひとつであ る。下手すれば今の虫眼鏡よりも性能は悪いくらいかもしれない。た だ今まで誰も見たことのない世界を見たということはとてもどきどき することだったんではないかと思う。何かいきものがいるなんて思っ てもみなかったみずたまりにも小さないきものが住んでいたり、何に もない空から降ってくる雨水の中にもいろいろなものが溶けていたり。 今まで叩きつぶしていた小さな虫がすごいきれいに見えたりしたんだ ろう。今でもその人の書いたスケッチが残っている。興味のある人は 探すと面白いかも。  顕微鏡を研究に使う人はもちろん職業的な研究者もいるとは思うけ れど、誰も見たこともない、誰も知らない、誰も考えたこともない、 そんな世界を見たいという人も多いんではないかな。世界のためとか 人の未来に必要とかのようにものすごく高い理想を持ってるわけでは なく、ある意味ものすごく「不純な動機」の「自分がどきどき」して みたいということなのかもしれない。 (2001/08/28) 「ピンホールの話するって聞いてたんだけど?」 「それに顕微鏡の話になってないじゃん」 「まぁそのへんはいずれ」